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Audio Fidelity社は情報量重視で知られる現在主流のフラットマスタリング方式の先駆者でございます。
アナログ盤的な音質を指向しており、非常に良心的な音質となっております。
CDにせよ、アナログ盤にせよ、ハイレゾにせよ、SACDにせよ、マスターテープの再現が最も重要なテーマとなります。
ここ近年オーディオファンから「アナログ盤が一番マスターテープを再現していたのではなかろうか?」との指摘が挙がり、
嘗ての名マスタリング・エンジニア故George Marino等が手掛けた当時のアナログ盤が高値で取引されるここ昨今でございます.......
されど、こちらにはスクラッチノイズはございませんが............................................
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃いの第二期。
Ritchie Blackmore(G、後にRainbow、Blackmore's Night) 、故Jon Lord(Key、後にPaice,Ashton & Lord、Whitesnake他)、Ian Gillan(Vo、後にIan Gillan Band、Gillan、Black Sabbath)、
Roger Glover(G、後にプロデューサー業に転身、Rupert Hine、Spencer Davis Group、Rory Gallagher等々名作を手掛ける。その後にRainbow)、
Ian Paice(Ds、後にPaice,Ashton & Lord、Whitesnake、Gary Moore Band)となります。
プロデュースはバンド自身。
サウンドエンジニアを兼ねていたMartin Birch(Derek Lawrence配下のエンジニアで後にWishbone Ash、Fleetwood Mac、Whitesnake、Iron Maiden等を手掛ける)がエンジニアとして部分起用となります。
今CDは英国オリジナル・マスターテープを使用している模様でございます(”Speed King”冒頭部が削除されておりません)。
第一期のRod Evans/Nick Simperを表現力不足を理由に3rd”Deep Purple”リリース前に解雇。
そして抜群の声量と声域と表現力を誇るIan Gillanを加入させるも、そのIan Gillanが連れてきたかの”Episode Six”での重要な作曲パートナーたるRoger Gloverには技術面で加入に難色を示すバンド側。
Ian Gillanとセットという事で渋々加入させるものの、これが大英断。
確かに当時は技術/フレーズ面で稚屈な面が見えるものの、作曲面や明らかに音楽指向が異なるRitchie BlackmoreとIan Gillanの音楽個性を融合する事に長けており、
また「火と油の関係」とも揶揄されるGillan/Blackmoreの音楽個性や性格を爆発・崩壊させないバンドでの非常に重要な役割を果たしており、
冷静で非常に客観的な頭脳や洞察力を生かし有能なプロデューサーとしての辣腕を以後発揮していく事となります。
「ハードロックがやりたい」とRitchie BlackmoreがJon Lordと取引。
前作ライヴ盤「Concerto for Orchestra」では故Jon Lordが第一期Deep Purple末期から指向するロック/オーケストラ融合路線で制作。
今作では音楽性の主導権を握ったRitchie Blackmoreがハードロック路線を指向、制作に乗り出す................という経緯がございます。
さて今作。
Ritchie Blackmoreの今作に賭ける意欲は並々ならぬものだった模様で前作ライヴ盤「Concerto for Orchestra」制作以前からハードロック路線の音楽性を具体化しており、
BBCやライヴ盤録音時にも新曲を披露し聴衆の反応を伺うというもの。
反応はかなり上々ではあったものの前作「Concerto for Orchestra」が制作予算オーバーで大赤字だった事からもその補填の為にツアーをこなしつつ、合間に新作制作に入るという厳しいスケジュールで制作された模様でございます。
但し、それが功を奏した感があり、演奏力やアンサンブルの纏まりがかなり向上。
またRitchie Blackmoreの演奏スタイルも第一期のJimi Hendrix色濃いものから、自己のスタイルを確立。
(但し、後に聴かれなくなるファンク的なパートが存在。過度期という感も....................)
ツアーの合間の制作・録音という事から製作期間がそれぞれ短いもので安普請予算の関係上ライヴ的な制作になった感がございますが新曲も聴衆の反応を鑑みつつかなり練られた感があり、
制作毎に新たなアイデアを加え再録音という制作が功を奏した感がございます。
バンドとしてはスタジオ作初プロデュースでございますが強烈な個性揃いの中で驚く程の音楽性や楽曲の纏まりを見せており、
後にプロデューサーとして名を成す事となるRoger Gloverの客観性や冷静さが伺えるものでございます............................
今作は英国/ヨーロッパ圏で大成功を収め、また米国ではチャートアクションは良くなかったものの後の成功の土台となり、Ritchie Blackmoreが指向するハードロック路線が固定化。
但し、今作でのハードロック路線の貢献者でもある作曲貢献の中心にBlackmoreと名を連ねるGillan/Glover新加入組の権限が増す事となり、彼らの音楽個性が次作以降重視される事となります.................................
また、故Jon Lordが指向するロック/オーケストラ路線はバンドでは行われなくなり、自身のソロ作として継続していく事となります.................
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